妊娠中の歯科治療とお口のケアについて

○妊娠中の歯科治療について

Q 現在、妊娠3カ月です。歯の治療はできますか?
A 歯科治療は、できるだけ安定期(妊娠5~9ヵ月ころ)に
行うことをお勧めしています。

Q レントゲンを撮って、おなかの赤ちゃんに影響しませんか?
A 歯は、おなかから場所が離れているのにくわえ、
鉛のエプロンをしていただきますので、
おなかの赤ちゃんが被曝する量は限りなくゼロに近いため、
赤ちゃんへの被曝の影響はほぼないのに等しいことがわかっています。

Q 歯に麻酔注射をして、おなかの赤ちゃんに影響しませんか?
A 影響しません。歯科治療に使う麻酔は、全身麻酔ではなく局所麻酔です。
そのうえ血管収縮剤が入っているため、治療をする歯の周辺にしか麻酔薬は停滞しません。
おなかの赤ちゃんに影響する心配はほとんどありません。

Q 抗生物質などを服用しても赤ちゃんに影響しませんか?
A 抗生物質であればペニシリン系やセフェム系を、
鎮痛剤はカロナールなどアセトアミノフェンが比較的安全であることが
産婦人科医師の見解で明らかになっています。
必要な場合には、最小限で使うことをお勧めいたします。

○妊娠中の歯のケアについて

Q 母親が歯周病だと早産や低体重児出産のリスクが高いといわれていますが本当ですか?
A 多くの研究から、歯周病菌が出す内毒素(エンドトキシン)が
子宮を収縮させるホルモンに似ているため
早産や低体重児出産を引き起こすといわれています。
歯周病と診断された方は、妊娠中からの治療をお勧めいたします。

Q むし歯菌が感染するというのは本当ですか?
A それは本当です。
むし歯菌の中の悪玉菌であるミュータンス菌は、
お子さんが生後1歳7カ月から2歳7カ月くらいの間に、
周囲の大人から唾液を通して感染(母子伝播)することがわかっています。
妊娠中から、ニュータンス菌などの検査を受け、
出産前にミュータンス菌を減らし始めることをお勧めいたします。

乳歯 #1

大切なお子さんを健康に育てるためには、
お母さんの妊娠期間中からのケアがとても重要です。

特に食生活が大切です。
栄養価の高いものを、
バランス良く取るように心がけて欲しいと思います。

といいますのも、
乳歯の芽である歯胚(しはい)は、
妊娠7週目からつくられるからです。

また、永久歯の歯胚の一部も、
妊娠4ヶ月目頃からつくられるのです。

(歯の学校 Vol.49 より)

妊娠中の歯の治療

妊娠中でも、
浅いむし歯を削って詰める、歯石を取る、
などの簡単な治療は問題ありませんが、
薬の内服・麻酔・X線撮影には注意が必要になります。

まず薬ですが、
妊娠2~4ヶ月の間は胎児の外形や臓器が作られる時期で、
最も注意すべきと言えます。

歯科でよく処方される抗生物質(化膿止め)ではセフェム系が、
鎮痛剤(痛み止め)ではアセトアミノフェンが安全とされています。

次に麻酔ですが歯科医院で使用されている局所麻酔薬に、
奇形等の原因となるものはありません。

X線撮影ですが、歯は子宮から離れていて、
直接X線が向くこともほとんどありませんし、
防護用の鉛入りエプロンを使用しますから安全です。

デンタルX線写真を1 枚撮影した時の放射線量は、
1 年間に受ける自然放射線(宇宙などの自然界から受ける放射線)の
1/60 から1/150 です。

しかし、妊娠中の方やその可能性のある方には、
緊急性のある場合を除いて、避けるのが一般的です。

妊娠中に全ての治療が不可能なわけではありません。
痛みや腫れなどでお困りの時はご相談下さい。

(三重県歯科医師会 資料より)